日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

371.500円硬貨の秘密

 私が子供のころ500円といえば、青っぽくて肖像画は岩倉具視の紙幣だった。1982年になって旧の500円硬貨が登場した。そして2000年には新500円硬貨に変更された。この変更は偽造防止のためである。この旧500円硬貨と新500円硬貨には、大きな点で4つの違いがある。

(1)旧硬貨では側面に「NIPPON 500」という刻印があったが、新硬貨では斜めのギザギザに変更になった。

(2)材質が旧硬貨は白銅だったのが新硬貨ではニッケル黄銅に変更された。

(3)新硬貨では大きな500文字の二つの「0」の内部に潜像文字が刻印されて、斜めからみると「500円」が浮かんでくる。

(4)上部「日本国」と下部「五百円」文字の背景に細かい筋模様が入った。

さて新500円硬貨には、私たちが気付かない「秘密のマイクロ文字」が刻印されているのは知られていない。ルーペでも見えないので顕微鏡で確認するしかない。一つは裏面の「500」という数字の中にバラバラにNIPPONの文字が隠れている。もう一つは表面の桐デザインの中央付近にも同様にバラバラにNIPPONの文字が隠れている。これは私が顕微鏡で確認したので間違いない。驚きの造幣技術である。