日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

290. 松川地熱発電所

 岩手県松尾村では、硫黄鉱山が閉山されてしまったので、地域振興のために温泉を掘った。すると蒸気が湧き出した。これに目をつけたのがアルミ精錬を手がけていた日本重化学工業である。「蒸気で発電できれば工場で使える」と思い、工業技術院の協力も得て1956年調査に着手、10年後の1966年に運転開始した。当時の出力は9500kW。不具合やトラブルが続いたが、その対応経験が東芝などの技術蓄積につながった。現在国内の地熱発電所は14箇所。その発電量は約60万kWで全電源の0.3%にすぎない。