日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

46.海水の淡水化技術

 地球上に存在する水の量は14億立方キロメートルであり、その97.5%は海水です。残り12.5%が淡水ですが、そのほとんどが地下水であり、河川や湖沼の水はわずか0.01%にすぎません。
  海水を淡水化する方法を大きく分類すれば「蒸発法」「膜法」「ハイブリッド法」の3つになります。蒸発法は加熱により蒸発した水分を冷却して水に戻す方法 です。「膜法」には、「ED(電気透析法)」と「RO膜法」の2つがあり、最近5年間に世界で建設された淡水化施設の80%は「RO膜法」です。
 水を通すが塩分は通さない半透膜で海水と淡水を隔てれば、そのままでは水は淡水から海水側へ移動してしまいます。しかし海水側に浸透圧よりも大きな圧力を加えると、海水側から淡水側へと水が移動するようになります。これを「逆浸透」と呼びます。
 この原理を使うのが「RO膜法」です。ここで最も重要なのが「RO膜」です。日本は、このRO膜供給において世界市場で大きなシェアを有しており、具体的な企業としては日東電工や東レがあります。ちなみにRO膜の孔の大きさは1~2nmとものすごく小さいものです。