日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

45.青色LEDの誕生

 現代社会に欠かせなくなっている発光ダイオード(LED)が爆発的普及をするに至ったきっかけは、長年の課題であった「青色LEDの実用化」でした。
 白熱電球も蛍光灯も基本的には白色光発光源ですが、LEDはそれぞれ単色光発光源です。
 光の三原色RGBのうち、1962年に赤色LEDが実用化され、緑色も実用化されましたが、青色LEDはなかなか実現できませんでした。
 1972年に徳島県の日亜化学工業に入社した中村修二氏は、1987年にクビを覚悟で青色LED開発をやりたいと社長に直談判して許可を得ることに成功。窒素ガリウムを使う方法で挑戦し、失敗の繰り返しをしながらも独自の「ツーフロー法」を開発しました。
 そして1993年、ついに青色発光ダイオード実用化に成功し、1995年には青色半導体レーザーを室温環境で実現しました。そして1999年日亜化学工業は、世界初の青色半導体レーザー製品化に成功しました。
 同年中村氏は日亜化学を退社。発明の対価を求めて日亜化学を相手に訴訟を起こしたことで有名になりました。訴訟は2005年に8億円で和解になりました。