日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

747.物質の元素

 紀元前古代ギリシャの哲学者エンペドクレスは、この宇宙は「水」「火」「空気」「土」の4つでできているとした。この4つの基本元素という考えは、その後2000年にわたり西欧の科学思想を支配した。一方で古代ギリシャの哲学者デモクリトスは、「全ての物質は小さな粒子からできている」と唱えたが誰も信じなかった。イギリスの科学者ジョンドルトンが、気体が水に溶けるのは水を構成する粒子のスキマに気体の粒子がはまることではないかと考えて1803年「原子説」を唱えた。それもすぐには受け入れられなかったが、やがて物質が小さな粒子からできていると考えるといろいろな現象が説明できることがわかってきた。物質を構成する基本的な粒子を「原子」という。今では当たり前のように思われていることだ。原子は、新しくできたり、なくなってしまったり、別の原子に変わったりすることがない。原子は種類によってその大きさや質量が決まっている。例えば酸素原子は水素原子に比べて大きさは2倍、質量は16倍である。原子の大きさは非常に小さく、2センチの中にアルミ原子は1億個並ぶ。