日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

745.住民登録の話

 住民基本台帳は年金や税金などのデータとつながる地方行政の要である。日本では7世紀から戸籍制度があり、最古の住民台帳は奈良の正倉院にあり、氏名、年齢、続柄なのが記載されていた。太平洋戦争が始まる直前の1941年に、町会が全戸調査によって世帯台帳をつくり、それを基にして家庭用米穀通帳が配られてコメの配給が始まった。生活物資の配給のために、だれがどこに何人で住んでいるかを知る必要が出たのだ。塩、味噌、しょうゆも配給制になり台帳は重要になる。もうひとつは戦争のための徴兵にも活用されることになる。世帯台帳は町会から市町村に引き継がれ、配給だけでなく選挙や就学、徴税などに利用されるようになる。ただこの頃はほとんどが「申告による登録作成」であり、重複登録や偽造登録があって正確性に劣っていた。そこで戦後1951年に住民登録法が施行され、「国民の全部をその住所で世帯ごとにつきとめる」住民登録制度が始まった。現在はマイナンバー制度が始まっているが国民には徹底していないようだ。