日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

653.国家とは何か?

 世界は国(国家)を単位として成立している。その国家の成立に必要なのが、「主権」と「領域」と「国民」である。「主権」とは、他の国の干渉を受けることなく国家を統治するための最高権力を言う。「領域」とは、主権が及ぶ範囲で「領土」「領海」「領空」がある。「国民」とは、その領域に属している人々をいう。国家と国家の領海線が「国境」であり、この「国境」をめぐって国家同士の争いが起こる。1993年にヨーロッパ連合EUが誕生し、「国境」の敷居を低くした。EUに属する国家間では、関税を撤廃し、共通通貨ユーロをつくり、人や物の移動を自由にしている。人々が国境を超えるのに手続きは不要で、国境を自由に行き来して生活するのが当たり前になっている。自由に国境を越えて学校に行くことも仕事や買い物に行くことも行われている。しかし最近はEUに加盟する国々の一部で国境の検問を厳しくしようという動きがある。難民や経済移民などが次々とEUに押し寄せるようになったことが背景にある。