日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

644.香りと香料

 匂いは私たちが何かを食べるときにも大切な働きをしている。目を閉じて鼻をつまんでオレンジジュースとリンゴジュースを飲んだら、どちらかわからなくなるほどだという。「匂い」のもとは、空気中に蒸発しやすい「揮発性」を有する物質である。ほとんどが有機化合物で、数十万種類あると考えられている。例えばイチゴの匂いを分析すると、300以上の匂い物質が混ざり合って独自の匂いを形成している。この「匂い物質」が鼻の中の「受容体」という細胞とくっついて、脳に信号が送られることで匂いを感じることになる。今では合成香料が、食品、化粧品、日用品等で多く用いられている。例えば柔軟剤、トイレや車の香水など。香料メーカーでは、食べ物の匂いがどんな物質で構成されているかを分析し、調香師が何十種類もの匂い物質を組み合わせて、同じ香りを再現できる配合をつくりだす。今では多くの食品に香りとして合成香料が用いられている。果汁ゼロの飲料でも果汁の香りや味を感じるのは合成香料による。それにしても犬をはじめとする動物たちの臭覚はすごいらしい。