日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

736.和牛とWagyu

 世界で牛肉の需要は拡大の一途をたどっている。特に中国での需要が大きい。日本の和牛肉は中国でも最高級の肉質とされて大人気である。「和牛」とは、日本在来種に外来種を交配して品種改良した肉専用種で4品種ある。それは「黒毛和牛」「あかうし」「日本短角種」「無角和種」で、実際は「黒毛和牛」がほとんどを占める。和牛はさらに日本で生まれ育っていることも条件だ。現在日本は和牛の遺伝資源輸出を厳しく制限している。だが和牛の遺伝資源流出事体を止める法律はない。豪州や米国といった畜産大国で「Wagyu」と称する食用牛が育てられてその肉が市場に出回っている。1990年代に北海道の畜産農家の男性が100頭を超える和牛を米国に輸出したのが始まりである。今世界で育てられているWagyuの多くはこの男性が輸出した牛の遺伝子を持つ。生きた和牛や和牛の受精卵が世界に広まるきっかけとなった。