佐藤光雄(技術士:機械、宮城県)
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 2018/01/12 (115 ヒット)

 みなさんは蚊帳(かや)をご存じだろうか。私が子供のころは、夏になると寝室で布団は蚊帳の内部に敷いたものである。蚊帳は、緑色の糸を細かい網目状に編んで作られた四角い室内用テントのようなものである。最近では、蚊も少なくなったが、昔は田舎ではたくさんの蚊がいたものだ。蚊帳は平安時代からあるそうだが、絹や木綿を使った高価なものであった。室町時代には比較的安価な麻糸で作られるようになり、江戸時代になると近江商人が大規模な蚊帳生産を行って、広く使われるようになった。それでも当時の庶民にとってはぜいたく品で、代わりの方法として「蚊遣火」が使われた。カヤの木やスギ、マツなどの葉やヨモギの葉を燃やした煙で蚊を追い払う方法である。我々が使っている「蚊取り線香」が登場するのは、明治20年のことである。そういえば小さいころ、雷が鳴ると蚊帳の中に入ったものである。

 


 2018/01/09 (155 ヒット)

 天然ダイヤモンドは、地球の深部で6万気圧2000℃にもなる高温高圧下において形成されるといわれる。それが地表近くに移動してダイヤモンドを含む砂れきが流出堆積したのがダイヤモンド鉱床である。歴史的にはインドで古くから採掘された。ダイヤモンドは、カット研磨されることでその輝きを増す。15世紀にはヨーロッパでダイヤモンドのカットが行われていた。17世紀には24の三角形の面が組み合わされる「ローズカット」が誕生する。1919年ベルギーのマーセルにより、光学的に計算され最もダイヤモンドが輝くカットが発表された。それは角度もすべて正確に計算された58面体の「ブリリアンカット」となった。現在主流のカットは「ラウンドブリリアンカット」である。他に「オーバルブリリアンカット」などもある。カット作業は、ダイヤモンド粉末を表面に塗布した円盤を回転させて、そこにダイヤモンド原石を正確に押し付けることで行われる。

 


 2018/01/05 (154 ヒット)

 御朱印とは、神社や寺院などが日付などを墨書し朱で印を押した紙などである。元々は写経を寺などに奉納した際に証明として渡されたものという。現在は参拝の記念に入手して収集する人も増えており、若い女性の間でも人気で「御朱印ガール」が登場している。この御朱印が人気になったのは約10年前。手描きの墨書と朱色の印はアート性が高く一つ一つが異なることもその理由だが、300円ほどで入手できるのも人気が高い理由である。そしてさまざまな御朱印帳も販売されている。私が京都に行ったときも、寺院では御朱印をいただく人の列を目にした。しかしこの御朱印がインターネットのオークションサイトで転売されるケースが増えて問題視されている。あるオークションサイトでの御朱印出品数は1500件にものぼる。高額なものは10万円で売りに出される。

 


 2018/01/02 (156 ヒット)

 夏休みになると、朝6時半に全国の広場や公園などでラジオ体操の和ができる。ラジオ体操はまさに夏休みの風物詩である。ラジオ体操の歴史は古い。昭和天皇の即位の大礼に合わせて、1928年に始まった。最初は「国民保健体操」の名称だった。戦時中には「国民精神総動員」の号令で、国威発揚に使われた。そのため戦後占領当局は、「30万人を一斉に動かす軍国日本の活動」として廃止を迫った。しかし内容を一新することで再開された。現在の「ラジオ体操第1」は、1951年に制定されたもので66年の歴史がある。体操は13科目からなり、作曲は服部正。現在の「ラジオ体操第2」はその翌年に制定され、作曲は團伊玖磨。これは職場向けに制定されたという。1953年には巡回ラジオ体操会も始まった。他に「ラジオ体操第3」があるらしいが、あまり知られていない。子どものころは夏休みラジオ体操に参加してスタンプをもらうのが必須だったと思う。


 2017/12/29 (155 ヒット)

 奈良時代初期の風土記に「握飯(にぎりいい)」の記述があり、日本人にとって「おにぎり」は古い歴史をもつ。鎌倉時代には梅干し入りのおにぎりが一般化し、江戸時代になって海苔巻きおにぎりが生まれる。明治18年に宇都宮で日本初の駅弁が販売されたが、その中身は梅干し入りおにぎり2個とたくあんであった。年間売上高4兆5000億円の日本最大のコンビニであるセブンイレブンでは、おにぎりが一日に575万個も売れるという。今やおにぎりはお母さんの手作りではなく、コンビニで買うものになった。セブンイレブンでの売り上げ順位は、1位ツナマヨネーズ、2位紅しゃけ、3位紀州南高梅という。おにぎりの海苔には無数の小さな穴があいていて、パリッとした食感を生んでいるらしい。三角形のものは「おむすび」でそれ以外は「おにぎり」という説や、海苔がパリパリのものは「おにぎり」でそうでないのが「おむすび」などの説があるが、違いははっきりしない。

 


 2017/12/26 (157 ヒット)

 国内の港などでヒアリが発見されて問題になっている。今年5月に初めて発見された。ヒアリの本来の生息地は南米アマゾンのジャングルである。しかし流通のグローバル化で人間がヒアリを別の地域に運んでしまった。アメリカには20世紀初めから増え始めており、ライバルがいない大陸で増殖を続けている。この小さなヒアリがアメリカ経済に、数千億円の被害を与えているという。オーストラリアでは2001年から増殖している。敵に対しては腹部先端の針を刺して毒を注入する。この針に刺されるとやけどのような痛みを感じるという。在来種アリよりも体は小さいが、攻撃的で在来種には負けることがない。実はアマゾンでは天敵のゾンビバエというのがいて、増殖は抑制されている。洪水になっても自らが集まって「いかだ」を形成し、流されて新たな地で増殖できる。

我々がヒアリを外来種としているが、1億年以上前からこの地球に生息している「ムシ」たちにとって、一番迷惑な外来種は「ヒト」であるといえるだろう。


 2017/12/22 (160 ヒット)

 現在漢字で数字を書くには、普通は「一」「二」「三」……「十」であるが、金額などの場合においては「大字」と呼ばれる「壱」、「弐」、「参」や「拾」を用いることがある。これらは常用漢字表にもある。大事な数字が、線の書き足しによって簡単に変えてしまえることを防止するという理由からである。例えば「一」に横線を足せば「二」や「三」になり、「三」は「五」に変えることができる。実は、「一」「二」「三」以外にも、「伍(ご)」、「陸(ろく)」、「漆(しち)」、「捌(はち)」、「玖(く)」が大字である。例えば一万円札を見ればそこには「壱万円」とあり、二千円札を見れば「弐千円」とある。五千円札は「五千円」だが。


 2017/12/19 (158 ヒット)

 地球上に最初の人類が誕生したのは700~600万年前とされる。東アフリカに生まれた人類の仲間たちは、二本足で立ち、道具を手に入れ、180万年前からアフリカを出てヨーロッパへ向かった。しかしそれらは結局生きのびることができなかった。そして20万年前にやはりアフリカで新しい人類として誕生したのが、「ホモサピエンス」である。彼らは5万年前にアフリカを離れ壮大な旅に出る。シベリアへそしてアラスカからアメリカ大陸へ渡った。こうして彼らが現在の世界人口73億人の源となった。4万5000年前より以前にヨーロッパを支配していたのは「ネアンデルタール人」であった。そこに同時期に入り込んだのがホモサピエンスであり、その結果ネアンデルタール人はホモサピエンスに追われ滅亡したと考えられている。両者の間にはいくつかの違いがあったが、その一つが「脳」であった。ちなみに「ジャワ原人」も「北京原人」も、ホモエレクトスの亜種と考えられており、結果的に滅びてしまい人類の祖先ではない。


 2017/12/17 (186 ヒット)

 明治時代、今の東北本線で福島から槻木までのルートとしては、丸森を通る阿武隈川沿いのルートが有力とされていた。現在の阿武隈急行線ルートである。しかし実際にはこのルートは採用されず、白石と越河を通る現在のルートが採用され、理由はどうあれ、角田と丸森は置いてきぼりになった。白石を通るルートは急な登りが課題とされたが、交流電化が完成して可能になったのだ。1968年になって槻木―丸森間が非電化で開通して、「丸森線」として暫定的に開業した。しかし丸森―福島間の線路建設は中止になり、「盲腸線」と呼ばれた丸森線は赤字を増加させていった。昭和46年には国内有数の赤字路線となった。1981年ついに「廃止」が承認されたのである。そこで福島・宮城両県は、第三セクター「阿武隈急行株式会社」を設立し、阿武隈急行線を開業させ、1988年についに福島―丸森間も開通したのである。着工から24年でようやく全線開通になった。


 2017/12/11 (227 ヒット)

 「人間国宝」は通称であり、正式名称は「重要無形文化財保持者」である。1950年制定の文化財保護法に基づき創設された。能楽や歌舞伎、文楽、演芸などの「芸能系」と、陶芸や染織、漆芸、金工といった「工芸技術系」に大別される。現在14の分野があり、認定保持者は112人いる。各人に年間200万円が支給される。しかし実はこの制度は誤解されているという。「わざ」を文化財として指定し、わざの高度な体現者を認定しているのであり、「ひと」を顕彰しているのではない。分野別件数をみると、最も多いのが「音楽」で19件22人、次が「染織」で14件16人、次は「陶芸」の9件10人、その後「能楽」5件11人、「漆芸」5件10人と続く。


 2017/12/10 (187 ヒット)

 巻き寿司やチラシ寿司などの料理には欠かせない食材である「かんぴょう」、昆布巻きのひもにも使われる。かんぴょうは、ウリ科も植物である「ユウガオ」からつくられる。そのユウガオは夏の今が収穫時。生産地は栃木県がダントツで9割以上のシェアを有する。畑で小さな実のときにこれを立ててやることで、まん丸い形にする。果実は大きさが25~30センチ、重さ6~8キロのものを収穫し、中央に鉄の棒を刺して機械にセットして回転させる。外側から刃を押し当ててまず外皮をむき、その後にかつら剥きの要領で細長いひも状にむいていく。中央部はタネがあるので使えない。そしてこれを乾燥させて出荷する。低カロリーで食物繊維に富み、カルシウムやカリウムも豊富という。


 2017/12/02 (144 ヒット)

 正常な目の場合には、目の中に入った光は網膜上に焦点が合って物がはっきりと見える。「近視」は、網膜の手前で焦点が合うため遠くのものがぼやけて見える。その逆に「遠視」は、網膜の後方で焦点が合うから近くのものがぼやけて見える。「乱視」は、縦方向の光と横方向の光が別々の場所で像を結ぶため、ものが二重に見えたりぼやけたりしてしまう。乱視の中では縦方向の光が網膜の手前に焦点を結ぶ「直乱視」が多いとされる。目の角膜は本来球状だが、加齢とともにゆがんでくることで起こる。ちなみに「老眼(老視)」は、近くのものを見るとき水晶体を厚く調整して焦点を合わせるが、年をとってこれができなくなる症状。


 2017/11/30 (127 ヒット)

 蚊取り線香の草分けといえば、金鳥ブランドで知られる大阪の「大日本除虫菊(株)」である。創業者の上山英一郎が、乾燥させた除虫菊の粉で世界初の棒状蚊取り線香をつくったのが1890年。だが長さ20センチの棒状では燃焼時間が40分しか持たなかった。悩んでいた創業者に、「渦巻き」というコロンブスの卵的アイデアを提案したのは、上山の妻ゆきであった。こうして1895年、実用化まで7年をかけて渦巻き型蚊取り線香「金鳥の渦巻き」が誕生した。当時開発実用化された方法は、長さ60センチの線香を2本同時に手で巻いてつくる方法(ダブルコイル)だったという。その後機械で打ち抜く方式になっている。ちなみに金鳥の渦巻き蚊取りは「左巻き」だという。


 2017/11/25 (124 ヒット)

 「静脈」とは心臓に戻る血管のことで、一方心臓から出ていく血管は「動脈」である。多くの動脈には静脈が寄り添っているが、血液は互いに逆の方向に流れる。全身の静脈血は大静脈へ集まって心臓の右心房へ入り、右心室から出て肺動脈を通って肺へ向かう。肺で酸素の補給を受けたのち、血液は肺静脈を通って左心側へ戻り大動脈から出て全身へ送られる。血液中の赤血球に含まれるたんぱく質のヘモグロビンが酸素分子の運び屋である。ヒトの全身の血液量は体重の8%ほどで、体重60キロの人なら約5リットル。そのうち動脈の容量は18%、静脈が75%、毛細血管が7%となっている。毛細血管は細く壁が薄いことが特徴で、壁を通して細胞や組織との間で物質の交換が行われる。


 2017/11/23 (142 ヒット)

 厚生労働省が示す「五大疾病」は、「糖尿病」「がん」「脳卒中」「急性心筋梗塞」「精神疾患」である。2015年の糖尿病患者数は、全世界で4億1500万人にものぼる。「糖尿病」は、血糖値が一定の基準を超えて高くなっている状態をさす疾患であり、飽食の時代が生んだ比較的新しい病気といえる。血糖値はさまざまなホルモンによって、非常に狭い範囲に保たれている。だが人類の体で血糖値を下げるホルモンは膵臓から分泌される「インスリン」ただ一つである。高血糖の状態が続くと、血管の劣化が進み動脈硬化を引き起こしやすくなる。ということは脳卒中などの確率が高くなる。また肥満になると糖尿病を悪化させるホルモンが多く分泌されるというので要注意だ。対応策は低カロリー食と適度な運動。もちろん薬物も開発され販売されている。


 2017/11/19 (148 ヒット)

 梅雨時期は湿度が高くじめじめしている。天気予報などで言われる「湿度」は、正確には「相対湿度」である。1立法メートルの空気の箱に含まれる水蒸気の限界量(飽和水蒸気量)に対して、実際にどれだけの水蒸気が含まれているかを示すのが、「相対湿度」である。この「飽和水蒸気量」は、気温が上がると大きくなり気温が下がると小さくなる。したがって同じ80%の湿度でも、10℃80%と30℃80%とではその水蒸気量には大きな違いがある。高温高湿の環境が最も「じめじめ度」が高くなる。さて、突然に温度が下がると、飽和水蒸気量は小さくなるから余分な水蒸気が水になり、「結露」が起こる。例えば室内の温かい空気が冷たい窓ガラスに触れると、その部分で水蒸気は水になって結露になる。


 2017/11/15 (221 ヒット)

 海外から日本に上陸して100年以上、今や日本人が最も愛する洋食の代表になったのが「ハンバーグ」である。明治15年日本で初めてハンバーグが登場したのは、日本初の料理学校である「赤堀割烹教場」である。そのとき使われたソースはトマトソース。故郷ドイツの港町の名前をとって「ハンブルグ風ステーキ」と呼ばれた。明治30年代になると洋食屋が次々と開店し、デミグラスソースが使われるようになった。昭和37年に「マルシンハンバーグ」がテレビコマーシャルに登場して、画期的なレトルトハンバーグが大ヒットした。こうしてハンバーグが一般家庭にも進出。昭和43年には子供たちの一番人気メニュ「玉子焼き」から「ハンバーグ」に変わった。昭和49年にファミレスの「デニーズ」がハンバーグソースに醤油ベースの和風ソスを採用して人気になる。その後もさまざまな新たなソースが開発された。「てりやきソース」「大根おろしポン酢」「ホワイトソース」「ガーリックソース」など。


 2017/11/11 (190 ヒット)

 人類は昔から病原菌による感染症と戦ってきた歴史をもつ。13世紀にはハンセン病、14世紀にはペスト、15世紀には梅毒、19世紀には結核とコレラ、20世紀までは天然痘と戦った。天然痘については、1980年にWHOがその根絶を宣言したが、天然痘根絶は感染症との戦いにおける金字塔とされる。天然痘は日本には仏教が伝来した6世紀頃に入ってきたとされる。大航海時代、欧人がインカ帝国などを征服できたのは、天然痘の免疫がなかった地で一気に広がったのも原因とされる。ワクチンができたのは18世紀末のこと。英国の医師ジェンナーが、牛の感染症である牛痘のウイルス接種を始めたのだ。その後もエボラ出血熱やAIDSなどの新興感染症が起こってきた。


 2017/11/07 (215 ヒット)

 1万本の「はんこ」を有するはんこタワーは、日本人の苗字の93%をカバーできる。ところが残り7%を、なんと10万種類の苗字が占めるという。韓国では300種、中国でも数千種なので、まさに日本は苗字大国である。福岡市にあるハンコ屋は10万個のはんこを扱うので、日本の苗字の99%をそろえるという。そのハンコ屋がレア苗字の一つに挙げたのが、「躑躅森(つつじもり)」という苗字。総画数が54で日本一。日本で苗字が増えた原因の第一は、本家から分家すると少し変えた苗字にしたこと、第二は多種多様な職業に応じて苗字をつけたこと、第三には大名など偉い人が「お前は○○を名乗れ」と勝手に命じたこと、などらしい。珍しい苗字のタイプには(1)漢字二文字ではない、(2)漢字に自由な読みを与えた、(3)苗字とは思えない名詞をつけた、がある。


 2017/11/02 (178 ヒット)

 お米(玄米)は、芽になる部分である「胚芽(はいが)」と、発芽の際の栄養になる「胚乳(はいにゅう)」と、これらをおおう表皮である「果皮(ぬか)」とから成っている。玄米から胚芽とぬかを取り除いたものが「白米」である。胚乳の細胞には大量のでんぷんが詰まっている。炊飯によってお米に水と熱が加わると、でんぷんの枝と枝を密着させていた水素結合が切れる。するとスキマに水分子が入り込んででんぷん粒子がふくらみ、お米はふっくらやわらかになる。世界には(1)インディカ米、(2)ジャポニカ米、(3)ジャバニカ米の3種類のお米がある。「インディカ米」は南アジアを中心に栽培され、一般に米粒は細長い。世界で生産されるお米の多くはインディカ米である。「ジャポニカ米」は日本や東アジアで栽培されており、米粒は丸みを帯びる。ジャバニカ米はアジアの熱帯地域で栽培される。

 


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