佐藤光雄(技術士:機械、宮城県)
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 2020/08/14 (2 ヒット)

 11月23日からローマカトリック教会のフランシスコ教皇(法王)が訪日し、24日には被爆地の長崎と広島を訪れた。ローマ教皇はローマカトリック教会のトップであり、バチカンの国家元首を兼ねている。バチカンは、イタリアローマの中にあって人口約600人の小国だが、法王の国際社会での影響力は大きい。ローマカトリック教会は、一つの宗派としては世界最多となる約13億人の信者(世界人口の約18%)を有する。ちなみに日本の信者数は約44万人。私の妻もその一人だが。日本には16世紀にフランシスコザビエルによってキリスト教が伝えられたのが最初。長崎の市中に多くの教会が建てられた。しかし豊臣秀吉が禁教令を出し、江戸時代には過酷な弾圧が行われた。その中でも潜伏キリシタンが信仰を守った。2018年に「長崎と天草地方潜伏キリシタン関連遺産」がユネスコ世界文化遺産に登録された。バチカンのサンピエトロ大聖堂は見事な建築と内装である。


 2020/08/13 (9 ヒット)

 中国万里の長城は、宇宙からも見える巨大建造物であり、全長は2万1000キロに及ぶ。2200年前に秦の始皇帝によって建設が始まった。当時北方の遊牧民が、強力な弓と馬を操る騎馬民族として、たびたび中国に侵入侵略してきた。これに対処する方法として作られたのが万里の長城の始まりである。初期のものは固く突き固めた土壁であった。明の時代になって、モンゴル軍から北京を守るべく山の頂上に改良した新たな城壁がつくられた。それはレンガ造りのものである。レンガをモルタルで接着して積み上げた二つの壁の間に粗石を詰め込んだ、厚さ5m、高さ7mもの立派なものであった。レンガを焼いた窯の場所から山の頂上まで人力で持ち上げたのだから大変だった。城壁には望楼と呼ばれた見張り台が各所に設けられた。また常に大量の兵士も配備する必要があった。壁は何世紀にもわたり延長されていった。歴史上最も多くの労働力と資材とがつぎ込まれた建造物となった。


 2020/08/12 (5 ヒット)

 フランスパリの中心に「ルーブル美術館」は建つ。紀元前3000年から19世紀のものまで68万点が納められた「美の殿堂」である。その膨大なコレクションは500年をかけて集められた。イタリアルネサンスの名画が並ぶ最大の展示室が「グランドギャラリー」で、350m続く美の回廊である。16世紀フランス国王のフランソワ1世が即位後イタリアに攻め入り、ルネサンス文化を目にする。そして翌年レオナルドダビンチをイタリアからフランスに招へいした。王はイタリアから多くの芸術作品を手に入れる。レオナルドは3年後フランスの地で亡くなるが、その死はルーブルに貴重なものを残した。レオナルドが死の間際まで手元に置いていたとされる「モナリザ」である。17世紀ルーブル宮殿は芸術の中心へと姿を変える。それに貢献したのは、絶大な権力を持った国王ルイ14世である。王がルーブル宮殿内で芸術家たちにつくらせた部屋が有名な「アポロンのギャラリー」である。18世紀のフランス革命を経て、次に権力を得たナポレオン1世もルーブルの美術収蔵品を大きくした。エジプト遠征によって手に入れたエジプトの遺産も多数加わった。こうして500年にわたり権力者たちがコレクションを増やしてきた歴史がある。


 2020/08/11 (2 ヒット)

 この秋、東日本に台風15号と台風19号とが相次いで猛威をふるった。15号では強風が房総半島などの電柱をなぎ倒した。19号では関東甲信越から東北にかけて豪雨が、河川の堤防を決壊させた。15号は千葉市に上陸したときの中心気圧が960ヘクトパスカルと強いままだった。その結果、台風の進行方向東側にあたった千葉県には極めて強い風が吹き付けた。最大瞬間風速は千葉市で57.5メートルにもなった。ただコンパクトだったことで雨が降った時間は短かった。一方台風19号は「雨台風」だった。多くの河川を決壊させた。12時間に降った雨の量は、120地点で観測史上1位を更新した。15号と19号が強い勢力に発達し、強いまま上陸した最大要因は高い海水温であった。地球温暖化による海水温の上昇が、台風の勢力を強め災害の頻度を増大させる。2019.11.26


 2020/08/10 (2 ヒット)

 江戸川乱歩は日本の推理小説の父といわれる。その作品数はおよそ140。本名は平井太郎、三重県に生まれた。中学時代、学校には半分くらいしか行かなかった。乱歩が若いころ、探偵小説は翻訳ものが主流で日本にその作家はほとんどいなかった。乱歩は探偵小説家をめざすが、この時代低俗なものとみなされ、世間から相手にされなかった。最初貿易会社に就職するが、1年で退社。他の会社に行ってもすぐ退社する。親の家で隠れるように小説を書いて、大正12年「二銭銅貨」で作家デビューする。大正14年には代表作の一つ「屋根裏の散歩者」を発表。独特の乱歩ワールドが評判になり一躍有名作家になる。戦時中乱歩小説は発売中止となるが、10年間の休筆を経て、明智小五郎と怪人二十面相が戦う「少年探偵団シリーズ」で復活する。東京池袋に、乱歩が亡くなるまで住んでいた家があり、見学もできる。そこには蔵があり、中は図書館のように乱歩が集めた本が並ぶ。乱歩はまた探偵小説トリック分類表もつくった。883の作品で使われたトリックを分類し分析した。私も中学高校時代にはよく読んだものだった。


 2020/08/09 (4 ヒット)

 「缶コーヒー」が、その誕生から50年を迎えた。ミルク入りコーヒーを缶につめ1969年に世界で初めて市販したのが、UCC上島珈琲である。その茶白赤3色を基調とするデザインは、10代目の現在まで守り続けられている。その50年間の売り上げは450億本。開発のきっかけは、UCC上島珈琲の創業者上島氏が抱いた「もったいない」の気持ちだったという。その昔鉄道駅売店でびん入りのコーヒー牛乳を買って飲み、発車ベルが鳴ると飲み残していても売店に返す必要があった。そこで手軽に持ち運べて飲めるようにと、缶入りを開発する。しかし缶の内側コーティングが難しかったという。この缶コーヒーが大ヒットになるのは、大阪万博であった。その後自動販売機やコンビニの普及により売り上げは拡大、他の飲料メーカーも参入した。2018年の、コーヒー飲料に占める缶コーヒーの割合は34%で、2008年に比べ半減した。近年はコンビニなどでドリップ式コーヒーが増えて、持ち運び可能な容器もできてきた。


 2020/08/08 (3 ヒット)

 16世紀はじめルネサンス初期のイタリアに、新しい芸術を生み出そうと活躍した3人の巨匠がいた。ミケランジェロ、ラファエロ、そしてレオナルドダビンチである。他の2人が100点近い作品を残しているのに比べて、レオナルドの場合その作品数はごくわずかである。当時の画家は自らの作品に署名を入れることはなかった。したがって言い伝えや文献や作風だけを頼りにして、本物の未発見作品を探し求めてきた。2年前に新しい発見があった。その作品は4億ドル(450億円)という人類史上最高額で落札された。「サルバトールムンディー」これは14番目のレオナルド作品本物であった。レオナルドの最高傑作「モナリザ」、そこでは彼の卓越した絵画技法によって、肌の透明感が表現されている。そして筆の跡は見られない。近年の解析により、絵の具を薄く何層にも塗り重ねることで表現されていることがわかった。レオナルドの作品は、実は膨大な手間と時間をかけて自分だけの技法を磨くための実験だったという見方もある。少なくとも「注文があって早く仕上げてなんぼ」という画家ではなかった。


 2020/08/07 (4 ヒット)

 地球表面をおおう大気の厚さは約100キロメートル、地球半径の60分の1しかない。その組成は、窒素が78%、酸素が21%、アルゴン0.9%である。大気全体から見れば二酸化炭素の割合は非常に小さいが、それでも地球温暖化に影響を与える。地球の隣にある金星や火星の場合その大気は、ほとんどが二酸化炭素である。大気の重さによる圧力が「大気圧」である。私たちの体には、常に1気圧の大気圧が加わっている。その大きさは、1平方センチ当たり1キログラムとかなり大きい。1気圧は通常1013ヘクトパスカルであるが、標高高度が上がると大気圧は小さくなる。例えば高度2400メートルでは770ヘクトパスカルほどに下がる。また高度が上がると気温は下がる。これは太陽に温められた地上から離れていくからということもあるが、高度が上がると気圧が下がり、気圧が下がれば空気は膨張するので温度が下がるというのが大きな原因である。大気圧の大きさを実感できる実験がある。ドラム缶に少しだけ水を入れ薪で熱して沸騰させて内部を水蒸気で満たし、そこでふたをして密封させてからこれにホースで水をかけるというもの。水蒸気が水に戻り、大気圧でドラム缶は押されて「ボコッ」とつぶれてしまう。


 2020/08/06 (9 ヒット)

 子どものうちに強度の近視になる人が増加していることが問題になっている。また大人になっても近視が悪化する人も増えている。通常の眼球では、目に入ってきた光が網膜で焦点が合う。近視になると眼球が前後方向に長く伸びて、焦点が合う位置がずれてくる。多くの人は20代前半でその進行は止まる。眼球が伸びすぎると網膜がキズついて視野が欠けたり、緑内障にもなりやすい。視力や視野が認知症とも関係することがいわれてきた。現在日本では視力1.0未満の子どもたちが増加し、平成30年では小学生34%、中学生56%、高校生67%もいる。スマホやパソコンなどを近い状態で見続けることも要因とされる。世界で最も近視の割合が高い国のひとつがシンガポールだが、その国立眼科センターで近視の進行を抑制する目薬が開発された。アトロピンといって日本でも試験が始まった。明るさ1000ルクス以上の光を、週に10時間以上浴びると近視になりにくいというデータもある。この明るさは屋外でないと実現できない。そういえば昔の子どもはいつも外で遊んでいた。


 2020/08/05 (6 ヒット)

 実は、人によって色の見え方は違っている。「赤色」はリンゴに付いているのではなくリンゴから反射された光を、人間の脳が「赤」と解釈している。つまり色は「もの」に付いているのではなく脳が判断している不確かなものなのである。「色」にはこれが正しいというものはない。なぜなら人は他人とは「ことば」でしか共有できないから。他の人が本当に自分と同じ色に見えているのかはわからない。太陽光は白色だが実はいろいろな波長の色が混じっている。リンゴが赤く見えるのは、長い波長の光だけを反射しそれ以外の光を吸収してしまうから。ヒトの目にあり色を判断する「すい体」には3種類があり、それぞれ「赤」「緑」「青」の3色に反応する。それら3つの強さの組合せから脳が色を判断している。ニワトリは「すい体」を5種類有する。虹は7色というが実は色と色には境界はない。それでも世界で共通に使われている色名として11種類がある。いにしえの日本文化では多様な色彩の表現と再現を行っていた。2019.11.13


 2020/08/04 (9 ヒット)

 10月31日那覇市の首里城から出火し、正殿、北殿、南殿などが全焼してしまった。首里城は、450年にわたる琉球王国の居城であり、中国の皇帝使節団や米国のペリー提督もここを訪れた。「琉球王国」は、日本や中国と交流し東南アジアまで及ぶ海上交易ネットワークを構築した海洋国家であった。その首都に築かれた王城はグスクと呼ばれ、城の石垣は優美な曲線を描く。その石垣などの材質は琉球石灰岩つまりサンゴである。以前ブラタモリでやっていた。明治新政府によって日本に編入されるまでの450年間、琉球王国の政治と文化の中心であった首里城は、戦前に国宝に指定された。だが太平洋戦争沖縄戦で破壊・焼失した。1986年に国が復元を決定し、30年かけて全容を取り戻した。2000年には、城郭が「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産に登録された。今回焼失した正殿などの建造物は世界遺産ではない。城の消失は15世紀以来今回で5度目であるという。


 2020/08/03 (11 ヒット)

 現パナソニック創業者である松下幸之助の没後30年になる。幸之助は和歌山県に8人兄弟の末っ子で生まれた。小学校を卒業することなく9歳で大阪の火鉢店に、次に自転車店に丁稚奉公に入った。妻むめのは淡路島の出身でお見合い結婚をした。その後大阪電灯で配線工として働く。新しいアイデアを上司に提案したが受け入れられず退社する。「おしるこ屋でも始めるか」と言ったら妻に反対される。1917年独立し電気器具を扱うが失敗続きで苦境に立つ。むめのは着物や指輪を質屋に入れて生活を支える。自転車用ランプ開発では自転車店に無償でランプを置いてもらう方法で、品質の良さをわかってもらう方法をとる。改良アタッチメントプラグや、電球をつけたまま配線をつなげる「二股ソケット」などを開発。やがてフォードの大量生産を手本にしてラジオやアイロンで驚きの低価格を実現する。1933年には大阪門真に大工場を建設し、松下電気産業株式会社と名前を変える。1951年アメリカ視察で見たのが、女性が職場で活躍する姿であり、家庭生活を支えていたのが生活家電であった。当時日本では家事は全て手作業で重労働であった。日本の家庭の主婦が助かるものをつくりたい…という思いから生活家電に注力。高度経済成長期全国にナショナルショップを展開する。幸之助は「神経質でかんしゃく持ち」だったといい、妻はいつも冷静沈着だったという。


 2020/08/02 (13 ヒット)

 世界は国(国家)を単位として成立している。その国家の成立に必要なのが、「主権」と「領域」と「国民」である。「主権」とは、他の国の干渉を受けることなく国家を統治するための最高権力を言う。「領域」とは、主権が及ぶ範囲で「領土」「領海」「領空」がある。「国民」とは、その領域に属している人々をいう。国家と国家の領海線が「国境」であり、この「国境」をめぐって国家同士の争いが起こる。1993年にヨーロッパ連合EUが誕生し、「国境」の敷居を低くした。EUに属する国家間では、関税を撤廃し、共通通貨ユーロをつくり、人や物の移動を自由にしている。人々が国境を超えるのに手続きは不要で、国境を自由に行き来して生活するのが当たり前になっている。自由に国境を越えて学校に行くことも仕事や買い物に行くことも行われている。しかし最近はEUに加盟する国々の一部で国境の検問を厳しくしようという動きがある。難民や経済移民などが次々とEUに押し寄せるようになったことが背景にある。


 2020/08/01 (23 ヒット)

 平安時代中期に紫式部が創作した「源氏物語」は、光源氏を中心とした貴族たちの恋愛模様や苦悩などが描かれており、「桐壺」から始まる54巻からなる。「源氏物語」は1000年以上読み継がれてきただけでなく、各時代の一流絵師たちが絵巻やびょうぶなどに描き続けている。紫式部は中流貴族の娘であったが夫との死別後に「源氏物語」を創作した。紫式部が書いた「源氏物語」の自筆本(原本)は、草稿も清書したものも残っていない。そのため多くの手書きによる写本で伝えられてきた。紫式部の創作から200年後の鎌倉時代に、藤原定家が様々な写本を比較しより正しい本文を追求し復元を試みた。この定家の写本は「青表紙本」と呼ばれ、これまでに確認されているのは「花散里」「行幸」「柏木」「早蕨」の4巻だけで、いずれも国の重要文化財である。今回新たに「若紫」が見つかった。現在最も普及しているテキストは、室町時代になって「青表紙本」を書写したとされる「大島本」に基づいている。


 2020/07/31 (21 ヒット)

 10月24日に東京ビッグサイトで2年に1度の自動車の祭典「東京モーターショー」が開幕した。出展内容は、ハイブリッド車が多い日本市場にも電気自動車EVが本格的に普及する時代の到来を予測させるという。背景には、車の電動化を促す世界的な環境規制がある。日産が世界初の量産型EV「リーフ」を発売して9年弱。リーフの国内累計販売は約13万台にとどまる。日本勢はハイブリッド車などの開発を優先してきた。EVは航続距離の短さや充電時間の長さなどの課題がある。東京モーターショーでホンダは、小型EV「ホンダe」を発表、これはホンダが初めて手掛ける量産EV。トヨタは高級車レクサスで初のEVを発売する計画だ。マツダが出展した初のEV「MX-30」はスポーツ用多目的車SUVのである。だが「ホンダe」の航続距離は220キロ、「MX-30」も200キロでガソリン車よりはかなり短い。充電スタンドは全国に約3万台と増えているものの、急速充電できるものは3分の1しかない。スズキが出展する「HANARE」は、自動運転EVで車内にはハンドルもペダルもなく、モーターはホイール内にあって室内が広い。前後対称型でどちら向きにも走行できる。2019.1.04


 2020/07/30 (29 ヒット)

 国内鉄鋼最大手の新日鉄住金が社名を「日本(にっぽん)製鉄」に変更した。さて専門的な話で申し訳ないが、製鉄工程について。製鉄所のシンボルといえるのが高さ50mにもなる「高炉」である。酸素と結びついて自然の状態になっている鉄鉱石を、コークスと一緒に高炉の上部から入れる。コークスとは石炭を材料とした炭素のかたまりである。それらは50mの高さから2000℃の高炉に落とされる。高炉の中では下から超高温の酸素ガスが噴き上げられている。鉄鉱石とコークスは、熱風を受けながら50mの高さを数時間かけてゆっくりと落ちていく。高熱により鉄鉱石は溶けてドロドロになる。まず酸素とコークスの炭素が結びついて一酸化炭素が発生する。一酸化炭素はより安定した二酸化炭素になろうとして、鉄鉱石の酸素と結びつくため鉄だけが残る。発生したガスは上部に抜けて、溶けたドロドロの鉄が高炉の下部に落ちる。この鉄を取り出して、転炉によって強く加工しやすい鉄に変える。こうして「製鉄」が行われる。なお高炉は、熱をさまさないために24時間365日休まず稼働している。


 2020/07/29 (22 ヒット)

 「鉄の貴婦人」と呼ばれるフランスパリのシンボル「エッフェル塔」。建設当時世界一の建造物の2倍の高さを誇った。建設会社の2人の技術者が300mの世界一高い塔をつくろうと考えた。目的は記録を立てること。会社の社長エッフェルは、すでに多くの鉄建造物や鉄橋、自由の女神骨組みなどをつくり著名な存在だった。1994年にパリ万国博覧会が開催されると知り、エッフェルは二人の案を修正させて万博のシンボルにしたいと考えた。エッフェルはコンペに勝利して建造を開始するが、その前にはいくつもの困難が次々と押し寄せた。「景観を損なう」と訴訟を起こされたり、軟弱地盤対策で予想外の対策が必要になり、作業者たちのストライキがあったり。建設では1万8000もの部材をつくって現地に運び、250万個ものリベットにより接合された。エレベーターは脚部を斜めに上昇して中央部を最上階まで上げることになり、予想以上の費用を要した。1889年3月、エッフェルは約束通りの期限を守り、2年2か月をかけて塔の頂上にフランス国旗を掲げた。エッフェルは莫大な出費を入場料で回収した。塔は20年後解体されることになっていたが、無線通信の技術者フェリエがエッフェル塔を用いた電波送信実験に成功。こうして電波塔として生き伸びてフランスの象徴となった。


 2020/07/28 (31 ヒット)

 「焼き鳥」は、江戸時代には高価な食べ物であり、基本「タレ」で食べられていた。なぜなら冷蔵技術がない時代肉の匂いを消すには「タレ」がよかった。しかし現在は「塩」で食べる方が鶏のうまみを引き出せるという。ただ肝は臭みを消すためタレにする。おいしい焼き鳥を決めるのは、(1)素材、(2)仕上げ(串打ち)、(3)焼き、の3つになる。「ねぎま」は、江戸時代にネギとマグロを串に刺したもの「ネギマグロ」から来ているらしい。江戸時代の屋台で野菜に求められたのは「腐りにくいこと」、そこで腐りにくく、調理の手間がなく、串に刺しやすいことから「ネギ」が選ばれた。竹串が使われているのは、お皿や箸がなくても食べやすく熱伝導率が最適だから。竹串は折れにくく丈夫で、火に燃えにくいのである。ところで「地鶏」というのは、日本古来の在来種の血を50%以上引いているもので、さらに飼育期間や飼育密度などの条件もある。現在は比内地鶏や名古屋コーチンなど約50種がある。食用鶏肉において「地鶏」は1%しかない。


 2020/07/27 (23 ヒット)

 吉野さんのノーベル化学賞受賞ニュースから時間がたったが、「リチウムイオン電池」はスマートフォンやパソコンに入っている高性能で小型の電池であり、これがあって「モバイル時代」が実現した。電池はプラス(正)とマイナス(負)の二つの電極を組み合わせてできている。小型化するには高い電圧が出る電極を使う必要がある。グッドイナフ教授らが、酸化化合物のコバルト酸リチウムが電池の正極に使えることを発見した。一方旭化成では別の研究グループが特殊な炭素材料を開発中だった。これを知って、正極にコバルト酸リチウム、負極に炭素材料という組合せで吉野さらは、1985年に新型電池の基本特許を出願する。そして1991年にソニーが、「リチウムイオン電池」と名付けて世界で初めて商品化した。そこから徐々に多くの用途にも広がっていき、特に携帯電話の普及を後押しした。今後は電気自動車や蓄電システムへの活用が広がることが考えられる。特徴は「軽い」「電圧が高い」「寿命が長い」の3つ。だが暑さ寒さに弱い。またリチウムは希少で高価な金属である。リチウムイオン電池の市場用途は、スマホ・PC用が半分でEV用が半分という状況。


 2020/07/26 (23 ヒット)

 「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されているが、これは料理そのものをさすのではなく、無形である「日本人の伝統的な食文化」を指している。「和食」は素材の味を引き出してヘルシーな食事であることから、世界中に「日本料理」のお店が増えている。日本食の特徴のひとつが「だし」であり、素材の見栄えと味と香りのすべてを楽しむものだが、世界の日本料理店では必ずしもそこまで実践されていない。「うまみ」を生み出す「昆布」「かつお節」「煮干し」「干ししいたけ」などを利用してだしをとり、発酵でつくられた味噌や醤油などの調味料と併せておいしくいただく文化である。料理は自然の美しさや四季のうつろいを表現して、そこで季節感を味わう。また料理に合わせた器に盛って料理を出す。地域に根差した食材や、正月などの年中行事にも密接にかかわりを持つのも特徴の一つである。近頃は各家庭でそうした地域の伝統的な日本食をつくることも少なくなっている。


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