TOP : 652.「源氏物語」写本
 2020/08/01 (28 ヒット)

 平安時代中期に紫式部が創作した「源氏物語」は、光源氏を中心とした貴族たちの恋愛模様や苦悩などが描かれており、「桐壺」から始まる54巻からなる。「源氏物語」は1000年以上読み継がれてきただけでなく、各時代の一流絵師たちが絵巻やびょうぶなどに描き続けている。紫式部は中流貴族の娘であったが夫との死別後に「源氏物語」を創作した。紫式部が書いた「源氏物語」の自筆本(原本)は、草稿も清書したものも残っていない。そのため多くの手書きによる写本で伝えられてきた。紫式部の創作から200年後の鎌倉時代に、藤原定家が様々な写本を比較しより正しい本文を追求し復元を試みた。この定家の写本は「青表紙本」と呼ばれ、これまでに確認されているのは「花散里」「行幸」「柏木」「早蕨」の4巻だけで、いずれも国の重要文化財である。今回新たに「若紫」が見つかった。現在最も普及しているテキストは、室町時代になって「青表紙本」を書写したとされる「大島本」に基づいている。