日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

630.食品の長期保存パッケージ

 食品を長持ちさせることを考えたとき最強の容器は「金属製缶詰」である。さびて劣化しなければ50年から100年持つとも言われる。食べ物が劣化する要因には大きく分けて3種類がある。(1)微生物による腐敗や汚染、(2)酸素や光などによる化学変化、(3)熱や乾燥・吸湿といった物理変化、である。これらを排除できれば、食べ物は腐らないしカビも生えない。常温で保存できるレトルト食品のボンカレーが発売されたのは1968年。常温で長期保存できる紙パックの飲料などは、「ロングライフ製法」でつくられている。無菌状態にした飲料を、無菌環境下で無菌のパッケージに充填する。食品を140℃前後の高温で数秒間殺菌して、微生物を完全に死滅させる。容器は紙とプラスチックの間にアルミ箔を挟んだ多層構造で、酸素、光、水蒸気などを遮断する。ロングライフ製品といえども、一度開封するとすぐに劣化が始まる。2019.9.25