日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

587.サンゴの大産卵「サマースノー」

 世界最大のサンゴ礁、それがオーストラリアのグレートバリアリーフである。面積は日本列島とほぼ同じ。そこで年に一度見られる奇跡の絶景が、「サマースノー」と呼ばれるサンゴの一斉大産卵である。ここのサンゴは400種以上。大きく見えるサンゴも、実はとっても小さいイソギンチャクに近い動物の集合体である。一つの個体の大きさはわずか数ミリ、それぞれが体の周囲に石灰質の骨格をつくり、分裂して増えながら大きなサンゴを形づくる。流れてくるプランクトンを触手で捕まえて食べる。11月満月の数日後に、サンゴから大量の小さい粒が放たれ海の中に雪が舞うようにして、海面に向かって流れていく。この粒は中に卵と精子が詰まったカプセルで、水面に浮かぶとカプセルから卵と精子が外に出て受精が起こる。満月で大潮の時は潮の流れが速くなるから、卵をより速くより遠くまで運ぶことができる。2019.07.09