日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

585.おもしろい生物「粘菌」

 単細胞生物である「粘菌」は、世界中で私たち人類の身近に存在している。「変形菌」とも呼ばれる。はるか昔から地球に生息する生物である。粘菌は周囲の条件がよくて食べ物がありさえすれば、どんどん大きくなりメートル級にまでなる。それでも細胞は一つである。アメーバ運動で常に形を変えながら広がっていく。広がる速度は1時間に1センチ。湿った場所が好きで光を嫌う。最近はネットで販売されていてペットに飼う人もいる。一般の多細胞生物は一つの細胞に一つの核をもつが、粘菌は単細胞ながら大量の核をもっているから、切断分離してもそれぞれが成長し子孫を残すことができる。アメーバ状の「変形体」はきのこ状の子実体に変身し、中に蓄えた胞子を放出して生育域を拡大する。1個の細胞でありながら、形や機能が異なる複数の部分を構成しているから不思議だ。実に豊富な種類があって千差万別らしい。