日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

582.「100年安心」年金の話

 最近は「100年安心年金」が話題になっている。「100年安心」は、決して「私が暮らしていける額の年金をもらえる安心」ではない。「年金100年安心プラン」ということばは、2003年に総選挙向けに公明党が打ち出したもの。年金制度に大きな転機があったのが2004年。それまでは「年金をどれだけ渡すか」を前提にして保険料を決めていたが、これ以降は現役の保険料負担の上限を定めその範囲内で年金を配ることにした。合わせて「マクロ経済スライド」という年金の抑制策を導入した。これは物価や賃金の伸びに合わせて毎年改定される年金額の水準を、働く人の減少と平均余命の伸びに応じて自動的に引き下げる仕組みである。この仕組みを使って将来の給付と負担のバランスがとれる見通しがつくまで抑制を続ける。抑制終了後は抑制の水準に維持して「約100年間でバランスをとる」というもの。そのモデル世帯に設定したのが厚生年金の夫と専業主婦の妻というモデルで、2人分の年金が現役世代の平均的手取り収入の50%を切らないというもの。それにしてもわかりにくい。