日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

580.江戸時代の時刻表示

 時刻の決め方には「定時法」と「不定時法」がある。一日を24等分して時刻を決めている現在の方法が「定時法」である。「不定時法」とは、一日を昼と夜に分けそれぞれを等分して時刻を決める方法である。江戸時代には、日の出約30分前を「明け六つ」、日没約30分後を「暮れ六つ」とし、それぞれを昼6等分夜6等分して一刻(いっとき)とした。一日は12刻である。不定時法では「一刻」の長さが季節によって大きく変化する。江戸時代の庶民は、「太陽が昇る」「太陽が沈む」を生活のリズムとして暮らしており、時刻の誤差を問題にはしなかった。不定時法に対応する時計を基にして寺の鐘が鳴らされた。その時鐘ネットワークがつくられて庶民は鐘の音で時刻を知った。江戸時代の時刻の呼び方は2種類があった。ひとつは真夜中の一刻から順に、子丑寅卯……亥の12子を順に割り当てたもので、もう一つは九~四の6個の数字を真夜中の一刻から順に二回り割り当てたもの。「お江戸日本橋七つ立ち」は夜明け前の七の刻に出発することをさした。2019.06.26