日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

524.南極観測と昭和基地

 第60次南極観測隊を乗せた観測船「しらせ」が昭和基地沖に到着した。日本が南極観測拠点「昭和基地」を開いてから60年以上が経つ。「昭和基地」ができたのは1957年である。敗戦国で終戦から10年しかたっていなかったので、欧米諸国と南極観測をすることになったが、日本はアプローチが悪くて不利な場所を割り当てられた。それが東オング島であった。隣のオーストラリア基地までは1000キロもある。第一次越冬隊は何もない場所に、組立てやすい木質パネル構造の4棟を建てた。これが日本初のプレハブ建築となった。その後次々と建物は増えていき、今では大小約70の建物があり、床面積は合計8000平方メートルになる。3階建ての管理棟には食堂や娯楽室もある。南極大陸は1820年に発見され、初の南極点到達は1911年にノルウエー探検隊(アムンゼン)により達成された。南極大陸の各国領有権は、159年の南極条約で現在凍結されている。日本の観測隊は1982年にはオゾンホールを発見し、これまでに1万個以上の隕石も発見している。2019.03.09