日本技術士会東北本部

428.殺虫剤

 殺虫剤には大きく分けて「スプレータイプ」「煙タイプ」「えさタイプ」の3種がある。蚊やハエの殺虫剤に最もよく使われている成分は、「ピレスロイド剤」と呼ばれるものである。これは昆虫の皮膚や気門を通して体内に入り込み、神経細胞にあるナトリウムチャネルという部分にくっつく。ナトリウムチャネルはナトリウムイオンを取り込むための通路であるが、ここにピレスロイド剤がくっつくとチャネルが開いたままで閉じなくなり、神経細胞が興奮しっぱなし状態になる。その結果体にけいれんが起こり、昆虫は動けなくなる。家庭用殺虫剤として次によく使われるには「有機リン剤」である。これも昆虫の神経細胞に作用して、興奮様態を止まらなくする。こうした殺虫剤成分であるが、正しい使い方なら人に害が出る影響はほとんどない。理由の第一は、その有効成分の量が人にとってはかなり微量だからである。第二は人体にはこうした殺虫剤成分を分解する解毒酵素があるから。ただ昆虫の中には、殺虫剤成分への抵抗性が増して、しぶとく生き続けるものがいるらしい。

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