日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

423.著作権保護期間

 小説や音楽、美術などの著作権が保護される期間は、現在「作者の死後50年」であるが、これを70年に延ばす著作権法改正案が近く国会に提出される。著作権があるかぎり、作品の利用には原則として費用と著作権者の許可が必要である。18世紀に世界最古の著作権法とされる英国の「アン女王法」が成立したときには著作権は、「作品公表後14年間」だったという。だが権利者側の意向で延長が繰り返された歴史がある。今回の延長問題が出てきたのは、環太平洋経済連携協定(TPP)がきっかけである。世界的に稼げるコンテンツを多く保有して、保護期間をすでに「70年」にしている米政府が、各国に足並みをそろえるよう求めたのだ。保護期間は、作者の遺族の利益や小説や漫画の出版や二次創作などに影響するので賛否両論がある。