日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

413.ヒトの進化とチンパンジー

 特別な存在であるかのような「ヒト」も、基本的には外形も内臓も他の動物と違わない。だがヒトは他の動物とは異なる進化をしてきた。1984年にヒトと類人猿の違いがDNAから解析された。その結果DNAの98.4%が同じであることが判明した。予測ではせいぜい90%と思われていたのに。ヒトとチンパンジーやボノボの間には、たった1.6%しか遺伝子上の違いはないのである。ヒトは500万年前に登場したとされるが、どのように進化してきたのだろうか。300~250万年前に直立二足歩行を可能にすべく骨盤が進化した。アウストラロピテクス(猿人)が誕生し、5万年前にアフリカでホモサピエンス(現在の人類の祖先)が誕生する。ホモサピエンスは北上して中近東あたりでネアンデルタール人と遭遇する。両者はともに大きな脳をもっていた。だがやがてネアンデルタール人は絶滅してしまう。ホモサピエンスの方が「より発達した言語をもっていて計画を立てて行動できたから」と予測されている。実はアフリカ以外に住むホモサピエンスには、ネアンデルタール人のDNAが3%ほど含まれているという。