日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

385.遺伝子の解明

 メンデルの遺伝法則再発見からおよそ半世紀後、アメリカのワトソンとイギリスのクリックによって、ついに遺伝子の構造が明らかにされた。その前にまず遺伝子は、細胞の核の中の染色体に存在することが明らかにされた。この染色体は、主にDNAとヒスタミンなどのタンパク質から構成されている。DNA(デオキシリボ核酸)は二重鎖DNAとして存在して、これは一定の角度で回転するので二重らせん構造をとる。細胞は二つに分裂して増殖するが、新たに生成された細胞は分裂前の細胞と遺伝的に完全に同じになる。二重鎖DNAは相補的な塩基と塩基とが結合しており、この相補的二重鎖構造によって、細胞の完全複製メカニズムが見事に説明されたのだった。この「二重鎖DNA」は、地球上の全生物にとって決定的に重要な存在である。次に遺伝子の実体は、DNAのたった4つのヌクレオチドの配列であることがつきとめられた。4つとはアデニンA、グアニンG、シトシンC、チミンTである。ヒトDNAはおよそ32億の塩基対からなる。