日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

380.重要な臓器「腎臓」

 NHKスペシャル「人体」の「腎臓(じんぞう)」を見た。腎臓は「尿をつくっているだけ」と思ったら大間違いだ。腎臓は握りこぶしほどの大きさで2個あるが、その内部は太い血管が密集している。そこから血液を通して各所にメッセージ物質を送り出している。腎臓は体内ネットワークのかなめであり、血液を取り仕切る司令塔である。腎臓には一つだけでも100万個もの「糸球体」があり、これが血液から尿をつくりだすフィルターの役目をしている。糸球体には老廃物を含む血液が供給され、内壁にある無数の微細な孔を通して赤血球以外の液体は尿細管へ送られる。この尿細管にある無数の細かい毛が再吸収血液の成分を最適に調整している。実は糸球体を通る血液の1%だけが老廃物として尿になり、残りの99%は再び再吸収されて血液に戻される。尿細管に接して血管があり、他の臓器からの情報に応じて再吸収で尿細管から血管に送られる血液の成分を最適化している。この腎臓における再吸収システムが、血液内の成分を許容範囲内に維持するようにしている。