日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

377.電子写真の技術(デジタル)

 その後、電子写真技術の大きな変革が二つあった。一つはカラー化でありもう一つがデジタル化である。1979年にキヤノンが、世界初の半導体レーザーを用いた小型レーザープリンターLBP-10 を発売した。これが現在のデジタル複写機につながる実質的なスタートである。1984年キヤノンは世界初のデジタルレーザー複写機NP9030を発売した。同年富士ゼロックスもデジタル複写機を発売。普及型デジタル複写機(100万円を切る)としては、1987年発売のリコーIMAGIO320が最初である。複写機のデジタル化は状況を一変させる大きな変革であった。デジタル化によって複合機MFP(マルチファンクションコピー)へと進化したのである。コピー、スキャナー、ファックス、プリンターの機能を兼ね備えたのだ。従来スタンドアローンで存在していた複写機が、デジタル化によって多機能複合機になり、拡張性が加わり、ネットワークに接続されるようになって、オフィスにおける中核機として認識されるに至った。例えばコンビニに設置されているコピー機は、もはやコピー機ではなくなって、ファックス送信やスマホからの写真プリントやチケットの購入や公共機関の証明書発行など多様な機能を有している。複写機のカラー化もデジタル化があってこそ実現したのである。