日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

376.電子写真の技術(アナログ)

 現在一般に「コピー機」といっているのは、電子写真技術を用いたデジタル式普通紙複写機のことである。デジタル化される前はアナログ複写機であった。アメリカのチェスター・カールソンは、新しい複写法を求めて実験を開始し、4年目の1937年に「エレクトロフォトグラフィー(電子写真)」の特許を出願した。このカールソンの特許には、基本的に現在とあまり変わらない作像プロセスが記載されているからすばらしい。米ハロイド社がカールソンを支援し、1950年に世界初の電子写真複写機を発売。1959年には世界初の事務用普通紙複写機Xerox914を開発した。この方式をゼログラフィーと命名し、1961年ハロイド社はゼロックスコーポレーションに社名を変更した。ゼロックス社の誕生である。1962年に英国ランクゼロックス社と日本の富士写真フィルム社が合弁で富士ゼロックス社を設立した。ゼロックス社の電子写真特許実施権は、富士ゼロックス社のみが得るということになった。これらは、他社が同様の普通紙静電複写をやれないほどの特許網を誇った。ゼロックスの基本特許は1970年頃に権利が消え、その後リコーやキヤノンが同じ方式の電子写真複写機に本格参入する。