日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

212.絹糸を生むカイコの話

 絹の生産は紀元前3000年頃の中国で始まったとされる。絹はカイコのまゆからつくられる。カイコは絹を生み出すために完全に家畜化された昆虫であり、ヒトの介在なしには生きられない。そして桑の葉以外を食料としない。カイコはサナギとなるために糸を吐いてまゆをつくる。1個のまゆから1000mほどの天然繊維がとれる。日本の絹は明治維新後に品質が上がり、1909年には清を抜いて生産量世界一になった。そこから昭和40年代まで世界一を続けたが、今ではほとんどが中国かインドからの輸入品である。