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120. シャープの電卓と液晶表示開発


 シャープは、1960年に将来を見据えて、新しい4つのテーマで研究室を設置しました。その一つ「コンピューターチーム」は5名。まず大阪大学で理論と回路を学び、会社で実験を続ける毎日を過ごします。
 一般向けに量産可能な商品として「計算機」などを選定しました。当時の電動計算機は、重さ20kgで価格は50万円もしたのです。
 シャープの電卓開発を主導したのは、後に「電卓のドン」と呼ばれた専務の佐々木正です。佐々木は、1968年に渡米し多くのICメーカーに電卓用LSIの生産を依頼しましたが、どこからも相手にされませんでした。
 あきらめて帰国しようとしたとき、ロックウエル社がLSI供給契約をしてくれることになったのです。
 こうしてシャープは、1969年に世界初のLSI電卓QT-8Dを開発し発売できました。これが大ヒットして、結果的に両社に莫大な利益をもたらしました。
  実はそれより前の1964年に、シャープのある技術者がテレビ番組で「液晶」の存在を知り、電卓に使えないかと研究開発を進めていました。開発チームは 「液晶こそが電卓戦争を勝ち抜く切り札になる」と考えて、必死の努力で液晶の実用化に向けて開発を進めたのです。これを引っ張ったのは和田富夫でした。
 実は世界で最初に液晶を電卓に搭載したのはビジコン社(日本の企業)で、1970年に試作機を発表しました。だが実質的に「液晶電卓時代」を切り開いたのは、独自に液晶開発をしたシャープです。
 シャープは1973年、ついに液晶表示電卓EL-805(2万6800円)を発売しました。1976年には初の太陽電池付き電卓も発売。こうして液晶の実用化に大きな進歩を実現したのです。

記68