NTTドコモは営業開始から20周年を迎えた。ドコモは今ではNTTグループの稼ぎ頭になったが、そのスタート時は苦しいものだった。NTTの前身であ る日本電信電話が移動通信事業として自動車電話サービスを開始したのは1979年である。1985年に電電公社が民営化してNTTが発足した。1991年 には携帯電話movaを発売したが移動通信事業は不振が続いていた。この当時移動通信の将来性への評価は非常に低かった。まさか、電話は1人1台という時 代が来るとは想定されていなかったのである。
政府や郵政省などから地域分割を求められたNTTは、その代わりに不振が続く移動通信事業部門を分割することを決定して、1992年にNTTから独立したドコモが誕生した。
1994年に携帯電話の買い上げ性が導入され、1999年にはiモードサービスが開始され、やがてスマートフォンが登場して時代は変化し、1人1台のモバイル時代が到来した。
こうして携帯電話は不可欠のものになった。
NTTドコモの初代社長大星氏は立ち上げ当時、赤字部門ではあるが移動通信事業には将来性があることを信じて、会社を変革していったという。そして大星氏は「社長には、社員とその家族のために命をかける責務がある(選ばれし者の責務)」と宣言したのである。