日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

42.ティッシュペーパー

 ティッシュペーパーは、アメリカの日用品メーカーであるキンバリークラーク社が、第一次世界大戦時に綿の代用品を紙から作れないかという軍からの要請を受けて開発したもので、最初は防毒マスクのフィルターに使われたそうです。
  1924年に同社がこれを紙製の箱に入れて「クリネックス」の商品名で売り出しました。1921年には「ポップアップ式」を採用した結果、大幅に売り上げ を増大しました。日本では1964年に日米合弁の山陽スコット社が商品名「スコッティー」を、そして十条キンバリー社が商品名「クリネックス」を相次いで 発売したのが最初です。
 当時は1箱100円と高級品でしたが、その後の拡販や5箱セット販売により普及が加速して価格も下がっていきました。原料は漂白されたパルプであり、最新の抄紙機によって時速120キロもの速度で製造され巻き取られていきます。
 次に2本の巻き取りロールから、互いに表が外側になるように2枚重ねに巻き替えが行われ、その後は専用の大きな装置でスリットされ「くの字」に交互に折り込みがされ、ものすごいスピードで断裁と箱詰めが行われるようになっています。
 トイレットペーパーと違い湿潤紙力増強剤で難水溶性にしてあるので、水に溶けにくい性質があります。