日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

41.巨大水槽のアクリル板

 有名な中東ドバイモールの中にある水族館には巨大水槽があり、そこには幅32.88m高さ8.3m厚さ75cm重量245トンの巨大アクリル板が使われています。これは水族館の巨大な窓において世界一ですが、これを製造したのは香川県にある日プラという会社です。
 これができるまでは沖縄美ら海水族館の幅35m奥行27m総水量7500トンという巨大水槽「黒潮の海」が世界一でした。もちろんこれも日プラ製です。日プラの巨大アクリル板製造技術は日本ものづくり大賞内閣総理大臣賞を受賞している優れものです。
 今では世界にある多くの水族館の大水槽は、全てアクリル樹脂製ということです。かつてはガラスが使われましたが、アクリルは耐衝撃性に優れ、比重がガラスの半分で、加熱によって簡単に加工ができるなどの特徴を有し、それを生かせる技術が進んできたことが背景にあります。
 「黒潮の海」ではアクリル板を15枚重ねて接着して60cmの厚さにしているそうです。
 アクリル板は接着面にアクリル樹脂を注入して硬化させる重合接着によって、透明のまま厚さを大にすることができます。
 なお巨大水槽の水量で比較すれば、世界一は米国ジョージア水族館ですが、水槽の窓サイズではドバイ水族館が世界一、沖縄美ら海水族館が2位、ジョージア水族館が3位になるということです。