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25.iPS細胞誕生のドラマ


 ノーベル賞を受賞した山中博士の下で、iPS細胞を作り出したのが高橋博士です。2005年の時点で山中グループは10万個もある(この当時)と言われ た遺伝子の中から、この遺伝子を入れたらiPS細胞ができるかもしれないという候補を、100個程度まで絞り込んでいました。
 当初はとにかく 100個の遺伝子全部をしらみつぶしに1個ずつ試してみようと思ってスタートしたといいます。高橋博士は特に可能性が高そうな24個を選び、それぞれを1 個ずつ入れた培養皿を作ったのですが、そのときついでに24個の遺伝子全部を入れたプレートを1個余分に作ったのだそうです。
 すると2週間後に、ついでに作った24個全部を入れた培養皿だけが、もこもこと細胞が増えているのが見えたのです。そこで次に1つずつ減らす実験をした結果、初期化に必要な4個の遺伝子を突き止めました。
しかし当初は誰にも信じてもらえなかったといいます。それはiPS細胞を作る方法が研究者たちが想像していた複雑なプロセスではなく、たった4個の遺伝子を入れるだけという簡単な方法だったからです。
 こうして2007年11月山中博士はヒトのiPS細胞を作製したと論文を発表しました。全く同じ日にトムソン博士も論文を発表したのでした。