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24.牛と微生物


 牛は人類の歴史の中で、常に身近な動物として存在しました。紀元前5000年頃、ヨーロッパではすでに牛を飼い慣らし家畜として利用することが行われて いました。不思議なのは、草しか食べない牛が、なぜあのようなタンパク質の巨体をつくれるのかということです。その秘密は牛の胃袋にありました。植物を構 成しているセルロースを人間は分解できませんが、牛はこれを分解する発酵工場を自分の胃の内部に持っているのです。牛には胃が4つあります。
 特に大きな第一胃は、微生物に最適な状態のまるで発酵タンクになっています。牛の胃には、セルロースを分解して栄養とする微生物が牛と共生関係を結んでいて、牛は微生物に生息環境と植物体を提供するかわりに、微生物の分解物を利用してタンパク質を作っているのです。
 牛は自然界に適応していくために独自の胃を持って、実によくできたシステムを形成して進化してきました。このような微生物(細菌)が、実は私たちヒトの腸内にも多数存在しています。人間の体内に住む常在菌の数は体を構成する細胞数の10倍にものぼると言われます。