日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

16.1秒の精度を極める

 1秒の国際的な定義は、1956年まで地球が自転する時間(1日)の8万6400分の1とされていました。これだと約100日で1秒狂うそうです。 1956年~1967年には、地球が太陽の周りを回る時間(1年)の約3155分の1とされました。これだと数10年で1秒狂うそうです。
  1967年以降は、セシウム原子を使う方式になりこれが現在も1秒の定義になっています。セシウム原子は、1秒間に91億9263万1770回という振動 数の電磁波を吸収するので、これを利用する方式です。この原子時計が全地球測位システムGPS衛星にも搭載されています。しかしこれでも約3000万年に 1秒の誤差が出るといいます。
 そこで日本が開発をリードしているのが光格子時計です。格子点に1つずつ計100万個の原子を閉じ込めて相互作用 を起こさせないようにした原子時計です。東京大学はストロンチウム原子を使う方法、産業技術総合研究所はイッテルビウム原子を使う方法で開発しました。光 格子時計では、宇宙誕生以降の137億年動かしても誤差は1秒以下だというので驚きです。