日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

15.新聞印刷

 新聞印刷はかつては活版印刷方式でしたが、今ではオフセット印刷方式になっており、しかもカラー印刷ページも増えてきています。短時間での高速印刷が求 められるため、新聞印刷専用の大型輪転印刷機が使われており、国内では東京機械製作所と三菱重工印刷紙工機械が新聞印刷機の代表的メーカーです。
  例えば朝日新聞を印刷している朝日プリンテックの新聞輪転機では、1時間に18万部(1秒間に50部)を刷るため輪転機内の用紙搬送速度は時速 49km(毎秒13.6m)にも達するといいます。朝日プリンテックは、全国に11の印刷拠点を有し委託工場も含めて29拠点で分担して800万部の新聞 を印刷しています。
 輪転印刷機は高さ15m全長24mという巨大な設備です。印刷機は床下に供給された重さ1.2トンのロールから紙を真上方向に搬送しながら、その両面に同時にオフセット印刷する印刷ユニットを5基有しており、モノクロ印刷ユニットとカラー印刷ユニットとがあります。
 5基によって印刷された5本のロール紙は、それぞれ縦方向に分断されることで、同時に10本の印刷済み長尺紙ができるので、それを全部重ねながら折って裁断することで40ページの新聞が次々と完成します。