日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

14.浅草寺のチタン瓦

 テレビの和風総本家で紹介された「浅草寺のチタン瓦」ですが、第2回日本ものづくり大賞経済産業大臣賞を受賞しています。チタン瓦は2007年の浅草寺 宝蔵門の屋根に採用され、2009年から2010年にかけて行われた本堂の改修工事においても、本堂屋根のふき替えにチタン瓦が採用されました。
 浅草寺は東京大空襲で焼失して、昭和33年に鉄筋コンクリート造りで再建されましたが、屋根には日本瓦(土瓦)が採用されていました。その8万9000枚の瓦が2010年からチタン製に替えられ、930トンあった屋根重量は5分の1(180トン)になったそうです。
  チタン瓦は、厚さ0.3mmのチタン板をプレス成形してから、いぶし調の表面処理を施して作られます。製造しているのは(株)カナメのルーフシステム事業 部で、工場は福島県喜多方市にあります。日本瓦の焼きムラ質感を出すために微妙に色を変えた3色のチタン瓦を不規則に並べているといいます。
 チタン瓦は軽量で耐食性に優れますが、コストは従来土瓦の3倍程になるようです。災害に強い建造物にしたいという思いがあるとのことです。