日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

10.ホッチキス

 紙を綴じるのに欠かせないのがホッチキスですね。これは19世紀にアメリカのホッチキスという人が発明したとされているため、日本ではホッチキスと呼んでいますが、英語では「ステープラー」と言います。日本には1903年から輸入されましたが、それらは卓上型で大きくて重いオフィス用のものでした。1952年に山田興業(現在のマックス)から発売されたのが、小型化された10号タイプホッチキスです。手のひらに収まる大きさで指先で簡単に綴じることができ、個人用文具への道を開きました。
10号タイプホッチキスは、その後改良を繰り返しながら進化してきましたが、結果的にこの針サイズはスタンダードになりました。1985年にはコピー機に組み込まれて自動で紙を綴じる装置が開発されました。1987年にはフラットクリンチタイプが開発され、裏側の針のふくらみがほとんどない方式が発売されました。
針の製造方法ですが、鉄線を数百本並べて圧力をかけて接着剤でくっつけて帯状にし、それを切断、曲げ加工して作られるそうです。針先をよく見ると片側エッジではなく中央エッジになるように切断されています。