日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

821.「太陽光」と光の性質

 私たちはたくさんの情報を、光を利用して「目」で見ることで受け取っている。ほとんどの光は「太陽」によって私たちにもたらされている。物体に当たり反射した光は私たちの目の角膜を通過し、水晶体で網膜に焦点を結び、視細胞で電気信号に変換されて脳に伝えられる。人類はずっと「太陽光」の恩恵を受けてきたが、その光の「正体」はわかっていなかった。ニュートンは光にはさまざまな色の光が含まれていること、そして太陽光(白色光)は色のついた光が重なりあったものであることを明らかにした。イギリスのマクスウェルは、1864年に電磁波の存在を予測し「光も電磁波の一種である」ことを証明した。宇宙空間や身の回りにはいろいろな波が飛び交っている。その一つが「電磁波」であり、電磁波の中で波長がおよそ380~780ナノメートルのものを「光」と呼んでいて私たちの目でとらえることができる。この波長間に紫から赤までの色が連続している。その外側には目に見えない紫外線と赤外線がある。真空中の光の速度は1983年に秒速29万9792.458kmで確定した。光は均一な物質内ではまっすぐに進む(光の直進性)。だが異なる物質の境界では折れ曲がる性質がある。これが「屈折」であり、その曲がる角度(屈折角)は入射前と入射後の物質により異なる。また光は透明でない物質の表面に当たるとはね返る性質があり、これが「反射」である。物質表面の状態により、バラバラの方向に反射する「乱反射」と一方向に反射する「鏡反射」がある。