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819.日本の「ハンコ社会」


 世界中でこれほど「ハンコ」が浸透した社会は日本だけである。ハンコの歴史は古くメソポタミア文明までさかのぼる。大事な品物を包んで粘土で封じる際に、信頼性を担保する印をつけるのに使われた。それがシルクロードを経て中国へ伝わった。福岡志賀島で発見された国宝の金印「漢委如国王印」も、紀元57年に中国光武帝から賜ったとされる。こうしてハンコの歴史は始まったが、中世には「花押」というサイン全盛の時代があった。花押は偽造されやすくハンコに戻った。江戸時代以降庶民もハンコを使い始める。明治政府は印鑑登録制度をつくった。一般に日本人は3種類の印鑑を所有している。「実印」「銀行印」「認め印」である。1968年には朱肉不要の画期的なインキ浸透印「シャチハタネーム」が発売された。印鑑登録に使われる「実印」は、フルネームが入る大きさで複雑な印相体やてん書体が使われる。偽造防止に効果があるが今の時代、陰影から印鑑を複製できる技術はある。技術的に偽造は可能でも日本の社会がハンコにそれなりの価値をおけば、それでいいのではないか。