日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

815.石油メジャー

 20世紀初め、中東に膨大な石油資源が眠っていることがわかった。しかし中東の産油国は、石油を採掘・精製する技術を持っていなかった。そこにアメリカ、イギリス、オランダ、フランスなどの国際石油資本すなわちメジャーが参入して、わずかな利権だけを払って採掘し膨大な利益を得た。自動車の普及に伴いガソリンの需要が急増した。石油メジャーとは石油系巨大企業複合体である。石油メジャーはその資本力で、石油の採掘、輸送、精製、販売までの全段階を行った。そこで産油国は自分たちの利益を守るために、1960年石油輸出国機構OPECを結成した。OPECで原油の価格や産油量を決定するようにしたのだ。中東戦争の際にはOPECが輸出量を制限し、世界中でオイルショックが起こった。そこで先進国は石油の備蓄やエネルギー資源の多様化を進める。原子力発電もその一つだ。第二次大戦から1970年代まで石油をほぼ独占した7社を「セブンシスターズ」と呼ぶ。米国ロックフェラーのスタンダードオイル(現エクソンモービル)、英国ロスチャイルド財閥系のシェル、オランダのロイヤルダッチなど。