日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

813.石灰岩と大理石

 岩石は大きく「火成岩」「堆積岩」「変成岩」の3種類に分類される。「堆積岩」は砕けた岩石、生物の遺骸、化学的沈殿物などが、水底や陸上に堆積または沈積して固結したものである。さて私が信じられないのは、「石灰岩」である。これは堆積岩の一種で世界中に広く分布している。主に炭酸カルシウムからなり、生物起源のものと化学的沈殿によるものがある。前者は有孔虫、サンゴ、ウミユリ、貝類などの生物が海中で堆積してできる。多孔質で吸水性がある。太古の時代にサンゴや貝類の死骸が堆積したといわれてもその量が多すぎて信じがたい。石灰岩台地は、弱酸性の雨水で浸食されやすく、地下水脈が空洞を形成すればそこに鍾乳洞ができ鍾乳石がつくられ、鍾乳洞は世界各地にみられる。また石灰岩成分を含んだ水の流れが棚田状に連なる石灰段丘を形成した絶景として、中国の黄龍やトルコのパムッカレがある。この石灰岩を粉末にした石灰石は、セメント、石こう、陶磁器、ガラス材料など広く活用されている。「大理石」は、石灰岩が熱により接触変成作用で再結晶した「結晶質石灰岩」である。高級石材の代名詞として建築内装などに使われる。石灰質の混入鉱物によって色や模様に多様な変化を見せる。