日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

798.長良川「鵜飼(うかい)」

 「鵜飼」といえば岐阜長良川である。鵜飼は古事記や日本書紀にも登場する日本の伝統漁法である。長良川鵜飼を伝える最古の資料は約1300年前の飛鳥時代とされ、織田信長や徳川家康も長良川鵜飼を観覧した。江戸時代は幕府の保護下にあった。現在の長良川鵜匠は9人、世襲制であり宮内省所属の式部職鵜匠の地位にある。皇室に納める鮎をとる「御料鵜飼」は長良川だけ。現在では鵜飼は観光を担う存在にある。鵜飼に使われる鵜はウミウであり、茨城県の海岸で捕獲された野生のウミウが使われる。鵜匠は鵜を常に大切に思い、共に生活してスキンシップで信頼関係を築く。野生の寿命は7~8年だが鵜匠が飼えば15~20年生きるという。かがり火をたいた小舟で、一人の鵜匠が12羽のひもでつながれた鵜を操る。鵜は潜って鮎を丸のみにするが、鵜匠は首のひもを調整して大きい鮎は喉もとで止まるようにする。こうして丸呑みされた数匹を取り出す。鮎は川と海を回遊する魚で、川床のコケを主食にする。野生の鳥に魚を採らせる漁法は考えると珍しく、長い歴史があるのがすごい。
 農業試験場が開発したのがササニシキである。1990年には全国2位の作付面積を誇り、宮城を代表するブランド米だった。しかし例外に弱いという欠点をもつことから耐冷性の強いひとめぼれが生み出された。そのひとめぼれは1994年には全国作付面積2位になった。