日本技術士会東北本部

792.電子顕微鏡

 人間のもつミクロ世界への探求心が「顕微鏡」を生み出すことになった。顕微鏡には、光と光学レンズを用いる「光学顕微鏡」と、電子と電子レンズを用いる「電子顕微鏡」がある。そして光学顕微鏡には、「生物顕微鏡(透過型顕微鏡)」と「金属顕微鏡(反射顕微鏡)がある。中学校の理科や高校の生物授業でこうした顕微鏡を使って観察したはずである。光学顕微鏡では、光の波長より短いものを観察すると像がボケて、0.2マイクロメートル程度までしか見ることができない。そこで光より波長が短い電子線を使うことで約100万倍まで高分解能で拡大できる電子顕微鏡が開発された。電子顕微鏡によって人類は初めて、ウイルスの検出や観察が可能になった。走査型電子顕微鏡を使うと、例えば微小昆虫の頭部や脚部などを拡大して驚くほど立体的に見ることが可能になる。電子顕微鏡には「透過型電子顕微鏡TEM」と「走査型電子顕微鏡SEM」がある。電子顕微鏡は光学顕微鏡に比べて、(1)著しく拡大倍率を高め高分解能にできる(2)焦点深度が深いため凹凸をとらえた立体画像が得られる、といった特徴を有するが、(3)鏡筒や試料室を真空にする必要がある(4)試料表面の金属コーテイングが必要(5)得られる像はモノクロになるといった問題もある。透過型電子顕微鏡は、サブナノレベルの高分解能を有している。

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