日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

786.クモ(蜘)蛛

 世界中には3万種を超えるクモがいる。古くはクモも昆虫に扱われたが、クモ類と昆虫類とは全く別の仲間である。クモ類が昆虫類と異なる主な点は、(1)クモの体は頭部と胸部がくっついた頭胸部と腹部からなる(2)歩脚は4対ある(昆虫は3対)(3)羽根はない(昆虫はほとんどが羽根をもつ)(4)腹部に糸を放出する管を有する突起をもつ。大きさは一般に5~15ミリ。クモは生きている虫であれば何でも食う。生まれて間もない子グモは糸を空中に流して遠くまで飛んでいく。世界のクモのうちおよそ半分は網を張ったりしない。造網クモは視覚が弱く、張った網にかかった虫を振動で知る。こうしたクモの生活を支えているのが糸であり糸をいろいろな用途に用いる。クモはとらえた虫に牙を刺して毒液を注入し、たんぱく質を消化する。そしてこれを吸い取る。クモの糸のもとになる粘液は腹部の器官でつくられ出糸管から出て空気に触れると固まって糸になる。網の張り方に関する情報は遺伝子に組み込まれ親から子へと伝えられる。クモは宇宙船内の無重力でもきれいに網を張ることができた。クモが遺伝情報であれほど見事な網を張ることができるのはすばらしい。またクモの糸は非常に細くても強力だ。