日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

785.「毛細血管」の話

 心臓から送り出された血液は、動脈、毛細血管、静脈を通じて体内をめぐる。動脈は酸素や栄養素を血液に乗せて毛細血管へ届け、毛細血管は体の隅々まで細胞に必要な酸素や栄養を届ける一方、二酸化炭素や老廃物を回収して静脈へと受け渡す。毛細血管は全身の血管の99%を占めており、その直径は約5~15ミクロンで、赤血球1個がやっと通るほどの極細になる。血液の速度は毛細血管では、秒速0.5~1ミリとゆっくりになる。血管の長さは地球2周半に及ぶほどだという。毛細血管は手や足に多く集まっている。指先の毛細血管をチェックすることでその健康度を確認できる。そこには極細血管が何本も並んでループをつくっているが、不健康になるとねじれたり、ぼやけたり、消えたりしてしまう。毛細血管のゴースト化という。ゴースト化では体の疲労物質を回収できなくなり体調低下を招く。毛細血管ゴースト化の原因には、(1)紫外線(2)早食い(3)睡眠不足(4)過度な運動(5)ストレスがあるという。
毛細血管の壁は非常に薄く物質の透過性に優れている。酸素と二酸化炭素のガス交換や、栄養素・老廃物の移動はすべてこの毛細血管で行われる。