日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

775.感染症、免疫のしくみ

 人体の免疫機構は「自然免疫」と「獲得免疫」の二段構えになっている。自然免疫は生まれたときから備わっており、まずは皮膚や粘膜の物理的・化学的バリアーが病原体の侵入を防ぐ。そこが突破されても白血球の一種である食細胞が病原体を食べてくれる。ここまでが自然免疫で、自然免疫が強ければそれだけで新型コロナを撃退できる人もいる。獲得免疫は発動までに数日かかる。獲得免疫の司令塔であるヘルパーTリンパ球がBリンパ球に指令を出し、Bリンパ球は抗体をつくってウイルスを殺す。またキラーTリンパ球はウイルスに感染した細胞を殺す。抗体には3種類があって、ウイルスを攻撃し排除してくれる「善玉抗体」と、逆にウイルスを活性化させる「悪玉抗体」と、攻撃もしないし活性化もしない「役なし抗体」がある。善玉抗体がたくさんできると軽症で済む。一定以上の人が感染してそれ以上感染が拡大しないのが「集団免疫」である。一度獲得した免疫が長期間続くことが集団免疫の前提であるが、新型コロナでは免疫が続く期間はとても短いので、効果には疑問がある。免疫力は加齢によって低下していく。免疫を維持するにはストレスの少ない生活が大事だという。