日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

753.日本書紀

 日本最古の正史「日本書紀」が完成して今年で1300年になる。日本書紀は、飛鳥時代後半に天武天皇が編さんを命じて奈良時代の720年に完成した。全30巻からなり、神代から持統天皇の退位までを描いている。文字は全て漢文で、当時東アジアで最強だった中国王朝の言語を用いた。この日本書紀は日本列島が倭と呼ばれた時代の東アジア史をも物語る貴重な史料である。3~7世紀における百済、高句麗といった朝鮮半島との争いや交流も記載される。第3巻では神武天皇が登場し、第7巻に日本武尊が登場する。第21、22巻には聖徳太子が記載される。第28、29巻に壬申の乱に勝利した天武天皇に関して記載されている。魏志倭人伝で有名な邪馬台国や卑弥呼に関する記載はない。712年には「古事記」が完成しているが、なぜ同時期に二つの歴史書が編さんされたかは、はっきりしていない。古事記は出雲神話が多く記載されていることから、出雲王権を倒したヤマト王権の物語とも考えられている。