日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

751.国民食「カレーライス」

 本来インドの「カレー」とは、何種類ものスパイスを使いいろいろな具材を煮込んでつくる「スパイス料理」である。「カレーライス」は「ラーメン」と並ぶ日本の国民食になっている。インドを植民地にしていたイギリス人が、カレーを現地からインドへ持ち帰り「カレー粉」と「小麦粉によるとろみ」でイギリス風にアレンジした。それが日本に伝わって日本風にアレンジされたものが現在の「カレーライス」である。ちなみに私が小さいころは「ライスカレー」と呼ばれていたが、いつからか「カレーライス」になった。東京新宿中村屋のカリーを生んだのは、1915年に英国支配下のインドを逃れてきて、店の主人にかくまわれた革命家のボースである。明治の日本海軍がイギリス式カレーを採用、軍隊の食事として定着した。カレーは兵士たちによりその後日本全国に広まる。カレー粉を使う方法は手間がかかるので1950年に固形のカレールウが発売された。1969年にはレトルトカレーが発売され、2017年にレトルトカレーは市場規模でカレールウを抜いた。今や専門店の味を再現したものや日本各地のご当地カレーが、レトルトカレーとなって500種類も発売されている。