日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

744.ルーブル美術館とモナリザ

 パリの中心部セーヌ川のほとりに建つのが「ルーブル美術館」である。ここには68万点の至宝が収められており、最大展示室グランドギャラリーは350mに及ぶ美の回廊である。500年前フランスは文化面でイタリアに後れを取っていた。ルーブルコレクションの起源とされるのが、レオナルドダビンチの「聖アンナと聖母子」であるが、これをフランスに導いたのはフランソワ1世である。フランソワ1世は芸術の力で国づくりをめざし、イタリア、ルネサンス芸術作品を集めていく。1536年にはレオナルドダビンチをフランスに招く。1539年にダビンチは亡くなるが、この天才の死は王のコレクションに「モナリザ」を加えることになった。この作品こそダビンチが身近に持ち続け筆を入れ続けた名画であった。フランソワ1世はその生涯をかけてルネサンスをフランスに定着させようとした。その結果、それまで数ある城のひとつにすぎなかったルーブルが、芸術の宮殿へ姿を変えた。