日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

735.弘前城と桜

 青森県弘前城は桜で有名だ。およそ400年前の1611年に戦国大名津軽氏が親子二代がかりで築いた。固い守りを有する戦うお城であり、本丸を何重にも囲む堀を有する。天守は五層の屋根を持つ立派なものだった。しかし1627年にその天守は焼失してしまう。そこで幕府に再建を願い出るが許可されず。やがて江戸末期になると日本近海にロシアの軍船がやってくるようになり、武力攻撃を受けて惨敗することにもなる。そんな背景もあって200年近く経った1808年に、幕府の許可がおりて弘前城天守の再建が始まった。それが現在みられるもので、江戸期以前の天守を持つ12城の一つとされる。弘前城天守は、下乗橋を渡るときにちょうど目の前に見える位置に建設されている。再建されたものの明治維新になって役目を終えそこからは荒れ放題になった。元弘前藩士であった菊池氏が私財を投じて城内に1000本の桜を植える。だがそれらは心無い元弘前藩士たちによって破壊された。日清日露戦争の前後に、菊池氏に内山氏も加わって再び城内に慰霊事業と称して再び1000本を超える桜を植える。城内の400本以上が樹齢100年を超えている。中でも最初から生き残っている樹齢138年の桜は、日本で最も古いソメイヨシノの一つである。