日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

733.フランス世界遺産「モンサンミシェル」

 「モンサンミシェル」は、教会や礼拝堂などいくつもの建物からなる修道院であり、海に浮かぶ一つの岩の上に築かれている。モンサンミシェルとは、大天使聖ミカエルの山を意味する。8~19世紀の1000年以上にわたり、岩山のあちらこちらに建物が造られ増築されていった。その結果高さ80mに及ぶパズルのような建造物になった。実は幾度も崩れては再建されてきた。異なる時代の異なる様式の建築物が、見事に調和している。最も古いとされるのはノートルダム地下礼拝堂である。古い時代、海の中に花崗岩のかたまりからなる巨大な岩山が現れた。そこに修道院がつくられた。中世の時代にはフランスの軍事要塞になって周囲には高い城壁がつくられた。島を囲む海は潮の満ち引きが激しく、流砂が形成されて砂地のエリアが拡大していった。19世紀に島と陸地を結ぶ道路ができて事態を悪化させた。そこで2015年に堤防に代わる橋が完成して潮の流れが復活した。今では川にダムをつくり川の水を利用して、砂の移動を制御している。こうして「海の中にそびえ立つ世界遺産モンサンミシェル」になった。